2023/02/12

ハッピー・オブ・ジ・エンド

攻:ケイト(立花慎之介) 受:柏木千紘(江口拓也)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★★☆☆

おげれつたなか先生原作の、底辺でもがく男たちの物語。皮膚の下をひっかくような痛々しさはいつものおげれつ先生節なのですが、本作ははらだ先生作品と見紛うばかりのクズ密度でびっくりしました(笑)。元彼に突然捨てられてから自暴自棄な生活を送ってきた宿なし文なしの受けが、人に頼まれた探し物のために近づいてきた攻めとバーで出会い、ぼこぼこにされてゴミ捨て場に放置されたものの、なんやかやで攻めの家に転がり込むことに成功し、肌と少しの心を重ねてゆくお話です。

攻め役の立花さんは、美しく気だるく、謎の多いケイトそのままの声と喋り方で、うっとりさせられました。テンションの低い、そっけない演技も素敵なのですが、生い立ちの話をぽろりと千紘に漏らすシーンの、心もとないような透明感も最高でした。

受け役の江口さんは、他作品に比べて「作っている」ことを感じさせない演技で、その適度な力加減が、クズなのに愛おしい千紘の人間性を浮き彫りにしていたように思います。ケイトにおもちゃのネックレスをもらって機嫌を直すところの演技は、キュン死にものです。

助演も実力派ぞろいなのですが、一番聞きごたえあるのは千紘の元彼役の斉藤壮馬さん。ポカリスウェットのCM出そうな声して、自分の周りの男も女も全て弄ぶ、最低のクズだ……。斉藤さん、やっぱりサイコとかヤンデレ方向にもっと活躍の場を広げていただきたいです(笑)。

エロはちょこちょこ入っていますが、ストーリーの重厚さに押されて、さほど強烈な印象は残りません。それでも、性欲処理に過ぎないはずのセックスで、ほぼ必ずキスしているところとか、相手への奉仕的な部分が垣間見えるところで、嬉しくも切ない気持ちになります。続編も拝聴希望。

2023/02/05

年下彼氏の恋愛管理癖

攻:平坂泉(前野智昭) 受:小野塚理(平川大輔)

ストーリー性:★★☆☆☆

エロ:★★★★☆

原作は、だかいちで有名な桜日梯子先生の同名漫画。同じ大学の同じ研究室に所属する、守ってあげたい系先輩と世話焼きたがりの後輩が、需要と供給の一致を超えた関係に至り、周囲とのあれやこれやを全部いちゃいちゃに昇華するお話です(笑)。ストーリーで押すタイプの作品ではないですが、スリルとほのぼののバランスがよく、何度も聴きたくなります。メインCP以外のキャスティングが豪華(当て馬に森川智之さん、友人役に間島淳司さん等)なのもプラス要素。

攻め役の前野さん、ワンコ感や受けを求めるがつがつ感を含めた、「年下の男の子」色がよかったです。平川さんとの組み合わせということもあってか賛否は分かれるようですが、原作のビジュアルに合った声質で個人的には好きでした。

受け役の平川さん、ブラボーとしか言いようがありません。おっとりした喋り方から匂い立つ未亡人感(笑)といい、儚さと強かさを交互に覗かせる甘いお声といい、理想のおのっちでした。もっとお堅い役も多数演じていらっしゃる平川さんですが、花弁がこぼれるようなこういう役も可能ならもっと演じていただきたいと思ってしまいます。

濡れ場は原作同様に大盤振る舞いで、回数も濃厚さも最高のバランスです。平川さんの別次元の色っぽさは言うに及ばず、前野さんの余裕のない表現も愛おしかったです。個人的に特に気に入っているのは、理の実家である旅館の特別な部屋で、水琴窟の音を聞きながらの風流な一戦です。

追記:CD3作目(原作では2巻目)で登場する倒錯系高校生・百崎林太郎役の松岡禎丞さんがやばすぎました、良い意味で。男女問わず好みの人間を鴨居に縛りつけたい性癖の持ち主を、キモくならないぎりぎりで演じるその実力、流石でございます。平川さんとの絡み、耽美かつ若さゆえの勢いも感じさせる素晴らしいシーンでした。その後の泉×理のお清め(お仕置き?)セックスも趣深い。

恋愛不行き届き

攻:桐島賢人(古川慎) 受:若宮鞍馬(佐藤拓也)

ストーリー性:★★☆☆☆

エロ:★★★☆☆

こちらもさとたくさん受けローラーで聴いたものですが、いやあ、とんでもない話だった……(笑)。演劇部の衣装係と、その衣装のために生地を提供している大手繊維会社の御曹司のロマンスなのですが、お互いがお互いをこっそりおかずにしていたのはまあいいとして、受けが攻めをレイプ魔呼ばわりして逃げ回ったり、当て馬が受けを凌辱しかけたり、攻めが受けをその後数年にわたりストーキングしたり、再会した後も雇用関係になるかたわら夜はセフレとしてやりまくったり、ついていくのに精一杯でした。相性のいい古川さん×佐藤さんという組み合わせ、かつ当て馬の山下誠一郎さんやオネエキャラのおのゆーさんといったキャストの力で最後まで聴けたCDです、ほんと。

攻め役の古川さんは、お得意の執着粘着ハイスペックキャラで、低いお声が怖いくらいの独占欲を完璧なまでに表現してくださっていました。賢人よりエキセントリックな役柄もいくつか拝聴しているので、特に違和感もなく、よくこの受けを一途に愛していられるね、頑張れ、と応援したくなりました。

受け役のさとたくさんは、なんだかしっちゃかめっちゃかな役でしたね(笑)。同性愛に否定的な父親のせいもあるのでしょうが、自らを進んで奈落に蹴り落とす思考回路の持ち主。ただ、佐藤さんの演技は流石の安定感で、こんなめんどくさいキャラでも可愛らしさを感じさせてくださいました。攻めからのみならず、ストーキング当て馬の江本、義理の弟の龍太からも矢印が見えており、総受け風なのはおいしかったです。

エロはそれなりの回数入っているのですが、達する前のフェードアウトやモノローグとのオーバーレイが多く、終始惜しい感じです。さとたくさんは相変わらず魔性の喘ぎで素敵なのですが、それだけと言えばそれだけかな。。リピートはしないかもしれません。


sick -シック-

攻:須藤圭人(鳥海浩輔) 受:岸祥太(村瀬歩) ストーリー性:★★☆☆☆ エロ:★★★★☆ 資産家の家に生まれ、容姿や対人スキルにも恵まれた大学生が、同じゼミのどんくさい院生にちょっかいをかけるうち惹かれてゆき、多少強引に事を運びはするものの最終的には想いを遂げる...