2022/04/28

カーストヘヴン

攻:刈野滉平(小野友樹) 受:梓裕也(内田雄馬)

攻:久世那月(佐藤拓也) 受:日下部鐘(村瀬歩)

攻:仙崎鴨(古川慎) 受:巽耀一郎(榎木淳弥)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★☆☆

ずっと気になっていて、ついに手を出したこの作品。トランプ探しゲームを行うことでクラス内のカーストを決めるという慣習のある高校を舞台に、数組のCPを紹介しながら、やがてメインCPである刈野と梓の話を掘り下げていく構成です。カーストや、現実世界でのしがらみに苦しみながら全身全霊でぶつかり合う若者たちが描かれているのですが……いや高校生ってこんなに鬱屈してる!?とは思いますよね!

メインCPの刈野×梓は、「キング」の梓(ヤンキー)の取り巻き「ワナビー」だった刈野(議員の息子)が、梓を引きずりおろしてキングになり、さらにはいじめの標的である「ターゲット」の役割を梓に強いて、慰み者のように扱う反面、今まで動いたことのなかった感情を揺さぶられるうち何かが芽生えて、という歪んだCPです()。おのゆーさんのドSっぽい感じはぞくぞくします。内田さんは、ガラが悪いながらもなんかちょっとマドンナっぽいのは、ご自分でもおっしゃっている弟気質の甘え声がちょびっと滲むからなんですかね。

2組目のCP、久世×鐘(読み方はあつむ)は、キングの親友「ジャック」だった久世が、ターゲットだったあつむをジャックに仕立て上げ、大切に大切に愛でていたところ、それまで友達のいなかったあつむが独占欲やらなんやらに押しつぶされそうになって二人ともなんだかおかしくなりかけるという歪んだCPです()。でもこのCPは、あつむの包容力により早い段階で丸く収まったので、他のCPよりはずっと治安がいいです。さとたくさん、歪んだ愛に満ちた怖いくらい優しい声も、ドスの利いた声も、相変わらずの職人技。漫画の印象だと、久世の声はもう少し高いかと思っていましたが、あつむの村瀬さんとの対比で結果的に聴きやすかったです。村瀬さんの声はいじめられっこのヒロインそのもので、大変可愛らしゅうございました。

3組目の仙崎×巽は、「バッドボーイ(不良)」×「プレップス(文科系上位)」から「バッドボーイ」×「バッドボーイ」へという、メインCPよりもさらにSMみのある二人。刈野の異母兄で、境遇の違いから日陰を歩かされ、いい子でいるしかない人生に飽きていた巽の前に、常識も何も通じないヤクザの息子・仙崎が彗星のごとく現れて、肉欲と互いの存在に溺れていくという、超歪んだCPです()!古川さん、異常性の表現はさすがなのですが、さすがすぎてちょっと引いてしまいました。漫画でも仙崎にはたびたび引かされるので、それが正解なんでしょうね。。そこへ食らいついていく榎木さん、モノローグでも仙崎との会話でも、仙崎を心の底から愛していることがひしひし感じられて、私はとても好きでした。

エロは、うーん、漫画がもっとエロ満載な印象だったので、CDになるとあれ?こんなものだったかな?と思いました。おそらく、漫画でも各エロシーンはそれほど長くないので、音声にするとあっという間なのかもしれません。一番安心して聴けるエロは久世×あつむ。久世は基本優しくしか抱かないし、さとたくさんと村瀬さんの百戦錬磨コンビなので。仙崎×巽は激しめのSMも入る変わり種ですが、頑張る榎木さんの喘ぎが素敵です。乳首ピアスに尿道攻め、痛いのに気持ちいい喘ぎって大変なんだろうなと思います。刈野×梓は、喧嘩しながら交わってて面白いのですが、内田さんがもうちょっと低く喘いでくださると、個人的にはとても嬉しいかなと……!

CDで聴いたのは3巻目まで。4巻目は修学旅行編で、原作でとても好きなシーンが入っていると思われるため聴いてみたいはみたいのですが、これまでのエロの感じから二の足を踏んでおります。。そのうち聴くこともあるかも?2巻目まではキャストトークも聴きましたが、本編を凌駕するくらい聴きごたえのあるトークでした()1巻目はワナビーワナビー言っているおのゆーさんと内田さんが可愛いし、2巻目はさとたくさんと村瀬さんも加わって、きゃっきゃうふふしながら卑猥な話をしていましたよ。キャストのファンならトークもお勧め。

2022/04/24

ワンダー・ボーダー

攻:八代和秋(小野友樹) 受:八嶋洋春(佐藤拓也)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★☆☆

高校時代の恋人に再会して、お互い今の恋人がいるにもかかわらず焼けぼっくいに火がつくパターン。洋春のいる地元に和秋が転職で戻ってきて、引っ越し先が偶然にも洋春の住んでいる部屋の隣で、なし崩し的に身体の関係を持ってしまい、本当はずっと忘れられなかった気持ちを揺り起こされるという、ただれた中にも純愛要素のある内容となっております。

攻め役の小野さんは、糸の切れた凧みたいなキャラに合わせた、甘えの強い声とゆるいトーンで、やっていることは最低なのに()憎めない感じでした。突拍子もない和秋の考え方についていくのは大変なのですが、おのゆーさんの声のお陰ですんなり聴けた気がいたします。

受け役の佐藤さんは、流されがちなちょろい受けを魅力的に演じてくださっていて、こちらもやっていることは最低なのですが()それでも可愛いと感じさせられました。声は特別高くもなく低くもなく、さとたくさんの自然な音域なのも聴きやすくてよかったです。

しかしこのCDには素晴らしい助演男優がいまして、その名も夏朗さん、洋春の今カレ(でも振られる)。演じるのは新垣樽助さんです。名前のとおり夏空のように清々しくて、心が広くて、ものすごくいい男。新垣さんも徹底的に紳士な声でやっていらして、感情移入してしまいました。スピンオフか何かでぜひ幸せになってほしい人です。

エロはそこそこの頻度ですが、割とあっさりしているので、おのゆーさんとさとたくさんの喘ぎをとことん堪能したい場合は物足りないかもです。ただ、正式によりを戻した後のエッチの最中に洋春が「もっかいするから、いい……」と言ったときは、和秋と一緒に「まじかー」となりました。

2022/04/23

サンドリヨンの黒い革靴

攻:火神尊(羽多野渉) 受:灰原歩(熊谷健太郎)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★★☆

BLリーディングCDと銘打たれた作品で、通常であれば脚本のト書きに当たる部分も全て声優さんが読み上げる形式となっていました。メイン二人のモノローグが尋常でないほど多いBLCDとでも言いましょうか。優秀なのにちょっとドジっ子な議員秘書・灰原が、満員電車に靴を片方置き去りにしてしまい、それを拾ったうえわざわざ一駅戻って届けてくれた火神(実は警察官でSP)とワンナイトスタンド→仕事がらみで再会してより深い関係に、という割とベタなストーリーです。

攻め役の羽多野さんは、それほど低音の声優さんではないのですが、屈強なSPという設定に合わせてか、かなり低めの声で演じてらっしゃいました。芸達者な方なので特に違和感などはなく、ストイック寄りの男前攻めという感じで安心して聴けました。

受け役の熊谷さんは、相変わらずのキラキラ爽やかボイスなのですが、ちょっとあざといビッチな感じも滲ませてくださっていて、たいそう可愛い仕上がりでした。火神が任務で怪我をしたかもしれないと思って取り乱すシーンはきゅんとします。

エロは受け攻めのモノローグも交えた濃厚な味わい。事細かな状況描写があるため、官能小説の朗読に喘ぎ声をプラスした感じです。最初のエッチなんかは、お互い好みの相手だったから靴の一件を口実に飲みに行って、その勢いのままホテルへなだれ込んだというだけのことがとてつもなく文学的に表現されていて面白かったです()。羽多野さんの攻め喘ぎは格好よく、熊谷さんの受け喘ぎはエロ可愛いので、シュールなまでの文学性に慣れることができれば思い切り楽しめます。

2022/04/19

性と体と恋の反作用

攻:村上紀一(八代拓) 受:湯島一弥(畠中祐)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★☆☆

「恋と性と魔法の作用」のスピンオフ。かずやという同じ名前を持つ双子の兄弟の、兄である一弥・通称ミロクを主役にしたお話です(恋と~では弟の一也・通称ナリが主役で、弟も受け)。ヤリチンの三十路道楽息子が、セフレの弟と成り行きで関係を持ってしまい、身体だけかと思いきや気持ちもどんどん傾いていくという妙にピュアなラブコメになっております。

攻め役の八代さん、高校生らしからぬリード力と、年相応のやんちゃさの両方を感じさせるやや低めの声で、とても聴きやすかったです。年上を翻弄しているのに、自分もそんなに余裕がないところが愛おしくなる年下攻めでした。デートシーンのじゃぶじゃぶ浴びせるような殺し文句は、聴いている方が照れます。

受け役の畠中さん、三十路にはとても聞こえない若々しい声と喋り方なのですが、不労所得で遊んでいるミロクのキャラには合っていたと思います。畠中さんはテンションの高い芝居でたまに声を裏返すのが可愛くて個人的に好きなのですが、本作でもちょこちょこ聴けてよかったです。あとすごい乙女。可愛い。

エロは、分量的には少なくありませんが、フェードが早いかもしれないです。八代さんの言葉攻めはいいですね。口調は優しい反面、ちょっと意地悪なところが年上を可愛がる年下っぽくてよき。畠中さんは、エロ中のモノローグはいいのですが、喘ぎがかなり高音で、もう少し落としてほしかったかもです。好みの問題ですが。告白しあった後のキスシーンはエロくてエモいので、ピンポイントで反復しています。

2022/04/16

熱情の檻で眠れ

攻:王丸総一郎(安元洋貴) 受:伊吹要(羽多野渉)

ストーリー性:★★☆☆☆

エロ:★★★★☆

BLがファンタジーと言われる理由が分かるような気もする、トレンディの香り漂う作品。借金が返せずに身体を売ることになった実業家の美青年と、彼を買ったひねくれ資産家の、薄暗くて暴力的なラブストーリー(でもハッピーエンド)です。

攻め役の安元さん、いつものセクシーな重低音で、影のあるセレブの役柄がお似合いでした。妾腹ゆえ偏見に晒され、肩肘張っているというドラマチックな設定も、安元さんの迫力ある声にかかれば赤子の手をひねるようなもの。いくらストーリーが薄くとも、総一郎が徐々に要を大切に思うようになる様は、声から感じ取れると思いました。

受け役の羽多野さん、重要文化財に認定したいほどの受けです。攻めの横暴さに反発しつつも快感に抗えず、さらには人としても惹かれていってしまうという流れを自然に表現してくださっていると思いますし、モブおじや信頼する先輩枠の男性からも執着される総受けっぷりが板についていました。要が総一郎を好きになる理由が分からないという感想もあるようですが、個人的には、寝顔を見つめていたあのシーンだけで十分なんだろうと理解しました。

エロは多めですし、SM寄りの特殊性癖っぽいものが多いのが本作の特徴かと思います。各エロシーンでの羽多野さんの喘ぎ分けも聴きどころ。無理強いされての快感と、愛情を確かめ合ったあとのセックスでの快感とではまったく違う喘ぎ方をしているので、後者が余計に感慨深いです。なんにせよ、BL作品では攻め役となることが多い羽多野さんの受け技術を堪能するには、最高の部類に入る作品かと思います。最初から最後までばっちこーいしっぱなしで疲れ果てた安元さんの変なテンションが楽しいキャストトークも聴きどころ(笑)。

落果

攻:大倉(古川慎) 受:りんご(中島ヨシキ)

攻:店長(高橋広樹) 受:レオ(小野友樹)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★★★

所属ボーイの源氏名が果物である風俗店Fruityを軸に、二組のCPの話が交互に展開します。大倉×りんごは、No.1コールボーイだったりんごが客に逆恨みされて顔に傷を負い、転落したところをバウンサーの大倉に拾われてずぶずぶと共依存する話、店長×レオは、Fruityの店長が別の風俗店に勤めていた時代に一種の罰ゲーム(レオの勤めるホストクラブの新人いびり)でレオを抱いたところ、レオが女性を抱けなくなってしまって執念深く店長を追ってくる話と、いずれもなかなかのメンヘラCPです。

大倉役の古川さんは、言われなければ古川さんだと分からないほどいつもとは趣向の違う声色で、正直ちょっと苦手でした、ごめんなさい。。陰気で執着的なキャラ設定には合っているのですが、必死かつ後ろ向きすぎるせいか、萌えられなかったです。。。でもりんごへの愛だけはしっかり感じ取れました。りんご役の中島さんは、さすがの芸達者ぶりで、完璧なまでのツンデレ可愛い受けでした。

店長×レオは、スピンオフのくせに表題作より長いというアクロバティックなCPです()。長年の人気作だかいちと受け攻めが逆なので、いわゆる逆襲CPですね。店長役の高橋さん、だかいちの高人さんとはまったく印象の違う熟成した深い声で、まさにスーパー攻め様でした。レオ役のおのゆーさんは、終始とろっとろでひたすら可愛かったです。ご本人もキャストトークで「こんなにアヘったのは初めて」とおっしゃってましたが()、確かにここまで乱れる演技は珍しいように思いましたので、攻め(しかも高橋さん)にぐちょぐちょにされる小野さんが聴きたい方には貴重なCDではないでしょうか。

佐々木と宮野

攻:佐々木秀鳴(白井悠介) 受:宮野由美(斉藤壮馬)※作中では左右未発表

ストーリー性:★★★★☆

エロ:☆☆☆☆

春園ショウ先生の青春キラキラBL漫画。ドラマCD化を経て、2022年にアニメ化。BLが大好きな後輩・宮野(みゃーちゃん)と、みゃーちゃんが大好きな先輩・佐々木の甘酸っぱすぎる高校生活を描く作品です。もだもだしながらゆっくり両想いへと向かう二人を見ていると、心が洗われるようです。

佐々木役の白井さん、ほんのちょっと不良でコミュ強の先輩らしい軽やかな演技がとても好感度高いです。宮野に惹かれていって、大事にしたい気持ちと触りたい気持ちの間で揺れて、ときどき後者が抑えられなくなる表現も繊細。特に、宮野にくっついて甘えるとき、少し鼻にかかったような声になるのが本当によかったです。

宮野役の斉藤さん、堂に入ったヒロインぶりでございました()。可愛らしい見た目にぴったりの柔らかい声で腐語りしていただき、大変楽しかったです。佐々木に憧れつつも、甘えられると嬉しくて甘やかしたくなる衝動を覚えるような包容力のあるキャラですが、それほど高音すぎない声を当てていただいて、違和感なく聴けました。

基本的には純愛なので、今のところエロはなし。……ですが、アニメの最終話より後の原作エピソードで、あわや、ということがありましたので、そのうち受け攻めがはっきりするかも?あ、エロはありませんが、キスはしています。初キスのときの佐々木の心のうちを思うと、視聴者もたまらなくなります。

漫画はまだ続いており、大学生編へ突入するそうなので、非常に楽しみです。また、スピンオフの、寮のルームメイトBL「平野と鍵浦」もきゅんきゅん満載でお勧めです(鍵浦昭(島崎信長)×平野大河(松岡禎丞))。

2022/04/15

さんかく窓の外側は夜

攻?:冷川理人(羽多野渉) 受?:三角康介(島崎信長)

ストーリー性:★★★★★

エロ:★★☆☆(初めの方に集中)

ヤマシタトモコ先生の、BLレーベルではないもののそれらしき雰囲気の漂う、いわゆる匂わせBL漫画2021年にアニメ化。ホラー×エロという斬新な試みを、さらっと何でもないことのようにやってのけた作品という感じがしております。

生まれつき「こわいもの」が見える主人公・三角くんが、どこか歪な美人除霊師・冷川さんから運命の人と見初められ、霊と人間のどろどろに巻き込まれるものの必ず最後に愛は勝つ話。……そんな風に乱暴にまとめてはいけないくらい深くて濃い作品なのですが、極限までBL要素のみに絞ればこうなるかと。ホラーは苦手なのに何度も読んでしまう不思議な魅力のある漫画で、アニメも好きなエピソードは見返していました。

冷川さん役の羽多野さん、ここまではまる方はいないと思えるほど理想のキャスティングでした。別作品のキャストトークで「相手に粘着するストーカー気質の役柄が多い」とおっしゃっていた羽多野さんですが、冷川さんはまさにそのカテゴリーですし、それに加えて天才肌の人間の驕り、それゆえの孤独や無自覚な悪意、さらには生い立ちの闇、そういうものを表現するのにもぴったりの声と演技で、非の打ちどころがありませんでした。アニメは漫画のメインストーリーを全部カバーすべく駆け足なところもあったので、冷川さんの可愛い部分が前面に出るコミックス描き下ろしエピソードなどが音声化されていなくて残念です。三角くん作のからあげを食べて、滅多に出さない大声で「おいしい!」と叫ぶ冷川さんが見たかった。

三角くん役の島崎さんは、割と強気なのに人が好すぎて結果的にちょろい主人公を魅力的に演じてくださっています。冷川さんや迎くんや英莉可ちゃんみたいな「向こう側の世界」に慣れた人にとって、優しくて清くて、でもどこか大雑把で折れない三角くんはどれほどの救いだったろうと思うのですが、島崎さんの芯の通った声はそのイメージにたがわず素敵でした。

エロは、正式BLでもないのに入っていること自体が新しい。ただし正確にはエロ(擬似)です。除霊作業を二人でやると性的に気持ちがいいという設定で、無遠慮に三角くんの「中」に入ってくる冷川さんと、抵抗しつつも快感を覚えてしまう三角くんというおいしい構図になっています。絶妙な台詞回しと表情と喘ぎ声だけで、やましいところなんてないはずの除霊作業が、あら不思議、まるでムードたっぷりの情事のよう。個人的に好きなのは、英莉可ちゃんの呪いを初めて二人で見つけたときのお風呂場エロ。冷川さんの「いい?いいよね、入るよ」はアニメで羽多野さんも最高にエロく言ってくださったし、冷川さんが興奮して三角くんを噛んだり舐めたりしちゃうのも尊い。

メインCP?は冷川さん×三角くんですが、斉藤壮馬さん演じる迎くんもイケメンなので、三角くんや冷川さんとのカップリングを楽しむことも可能かと。こういうのは、匂わせBLのいいところですかね。

2022/04/12

ドラッグレス・セックス

攻:戌井(江口拓也) 受:辰見(古川慎)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★★★★

オメガバースにちょっと似た時空で、「フェロモン症」という新しい病気に翻弄される人々を描くオムニバス形式の作品です。このCP以外に高橋広樹さん×武内健さん、駒田航さん×伊藤健人さんの短編もあるのですが、尺的には「辰見と戌井」が圧倒的に長くなっております。

自分に好意を持つ人を性的に惹きつけるフェロモン症患者であることを利用して、女性と遊び放題だった辰見が、オタクで愛の重い戌井に抱かれて抱かれまくってなんだか好きになっていっちゃう話。原作未読ですが、エロシーンがCDより激しいらしいので読んでみたいです。

攻め役の江口さん、珍しくぼそぼそ系のキャラでしたが、こういうのもいいですね。誕生日デートの途中で不満を爆発させたときのマシンガントーク(=オタクの早口)が圧巻でした。息継ぎもせずにあの長台詞、超面白くて超可愛かった。低音でぼそぼそしながらも辰見に対する愛情は直球で表現するから、キモいのにかっこいい攻めが出来上がっていました。

受け役の古川さん、キャラの性格が割とクズなため感情移入するまでに時間がかかるのですが、振られるかもと焦るくだりは切なくて可愛い。蓮っ葉な役柄に古川さんの声はよく合うので、辰見もしっくりきました。ちなみに江口さんと古川さんの声が似ていて聞き分けが難しいという感想を目にしたこともありますが、お二人の出演作品をいくつか聴いてからだとそんなに難しくないです。古川さんの方がややハスキー。

題材的にエロは豊富で、最初のレイプに近いものから最後のフェロモン漬けとろとろエッチに至るまでの過程を聴ける感じです。古川さんの受け喘ぎは高音に振れることが多いので実はちょっと苦手なのですが、この作品では気になりませんでした。低音のままの絡みがとっても色っぽかったと思います。

2022/04/10

はだける怪物

攻:秀那歩(佐藤拓也) 受:林田かんのすけ(小野友樹)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★★☆☆

おげれつたなか先生の漫画が原作。恋愛の醜くて、痛くて、それでもやめられない甘美な部分を浮き彫りにする先生の作風が大好きで、この作品も例外ではありません。別作品のスピンオフですが、最終的にはこのCPの話の方が長くなっているかと。

職場の先輩後輩という関係が、ひょんなことからセフレに発展し、やがて本気になった後輩が先輩を口説き落とした後の展開を描く本作。昔の恋人を殴っていた自分を許せない林田さんと、それをどうにかしたくてやきもきする秀那くんの、遠距離要素も入った恋模様が繰り広げられます。現実は甘くないから、問題が綺麗に全部解決することなんてないのだけれど、支えてくれる人がいて、一緒に前を向けるなら、そこに光はあるよね、と思わされる内容を、佐藤さんと小野さんの声でドラマ化していただけたことに感謝です。

攻め役の佐藤さんは、勝ち組イケメンが初めてのめり込んだ相手に振り回される様をリアルに演じてくださっていて、言うことなしなのですが……この作品は何をおいても、受け役の小野さんがすごい。佐藤さんもそうですが、おのゆーさんもバリエーション豊かな声優さんで、作品によって声の感じや喋り方を変えているのが職人技だと思っているのですが、本作ではちょっとかすれた艶っぽい声で面倒くさそうに喋るのがどんぴしゃで鳥肌立ちました。バカみたいにエロいなー!という秀那くんの叫びを、全リスナーが共有してしまう。。。

エロシーンはそれほど頻繁ではないのですが、入るとしっかりエロいです。秀那くんの飽くなき探求心と、林田さんの無尽蔵のキャパのお陰ですね。潮吹きて……ほんともう……けしからんもっとやれ。個人的に好きなのは、林田さんがサービスしてくれた電話越しのマスターベーション。おのゆーさんの喘ぎ声があまりにも悩ましくて悟りを開きそうでした。

ヤリチン☆ビッチ部

遠野高志(小林裕介)、加島優(濱野大輝)、矢口恭介(村瀬歩)、百合絢斗(佐藤拓也)、藤咲透(熊谷健太郎)、田村唯(興津和幸)、明美圭一(代永翼)、糸目幸士郎(山中真尋)、鹿谷樹(中澤まさとも)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★★★★

おげれつたなか先生原作の青春エロ群像劇。ギャグメインかと思いきや、キャラ一人一人を深く掘り下げる肉厚のストーリーはさすがのおげれつ先生節です。安心感抜群の声優陣に支えられ、とんでもないタイトルにもかかわらず()長く愛聴したい作品に仕上がっています。

山奥にある全寮制の男子校を舞台に、転入生である主人公の遠野が、写真部とは名ばかりの「ヤリチンビッチ部」に入部してしまい、はちゃめちゃな先輩たちに翻弄されたり、同級生から好意を寄せられたりするという内容で、今のところCPは少なめです(メインキャラの中では明美先輩×糸目先輩だけ)。ただし矢印はたくさん出ていて、加島とやっちゃん(矢口)が遠野に、たむ先輩(田村)がやっちゃんに、ジミー(藤咲)が百合くんに恋心を抱いています。

この作品で一番驚いたのは、佐藤拓也さんの引き出しの多さ。百合くんは、口を開けば人語とも思えない音を発するし、歩くセックスマシーンみたいで何を考えているのか(それとも何も考えていないのか)も分からない、変化球にもほどがあるキャラなのですが、佐藤さんがやったら見事に百合くんでした。その百合くんを盲目的に愛するジミーは熊谷さんで、いつもの爽やかイケメン声はどこへやら、じめっとした陰キャを熱演。他の皆からは色物として扱われている百合くんをひとりの人として心の底から崇拝し、愛ゆえに身体を繋げたいと願う彼の気持ちが余すことなく表現されています。

主人公役の小林さんは、高すぎず低すぎず、BL作品における正統派ヒロイン声でとてもよき。男らしい低音の濱野さんとのバランスもよく、カップリング成立への期待が高まります。そこへ参戦してきた村瀬さん演じるやっちゃんは、あざとい表の顔とガラの悪い裏の顔を使い分ける役で、それこそヒロイン枠の多い村瀬さんの新境地な感じにわくわくさせられます。

エロは入り乱れるものの、主には百合くんとたむ先輩、鹿谷先輩が担ってくれています。お三方とも百戦錬磨のエロさを醸し出してくださるので、彩としては十分すぎるほどです。個人的に好きなのはジミーが絶倫ぶりを見せつける百合くんとの本懐エッチと、たむ先輩・百合くんコンビでモブくんに童貞喪失させてあげるボーナストラックです。

男子校ノリそのままのにぎやかなフリートークも楽しいので、ぜひ限定版で聴いていただきたい作品です。

αがαを抱く方法

攻:南条レオ(江口拓也) 受:北海流華(熊谷健太郎)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★★☆

オメガバースはあまり好んで踏み入れる分野ではないのですが、この作品はα同士ということで興味が湧きました。αのみ、タチ専門の高級ホストクラブのNo.1No.2に狙われる話です。

攻め役の江口さんは、本領発揮といったところでしょうか、自信に満ちた低音や居丈高な口ぶりがいかにもα、いかにも高ランクのホスト。それなのに流華に対する愛情表現は不器用なところが萌えました。

受け役の熊谷さんは、ストーリー部分とエロ部分の演じ分けがお上手で感動します。No.1ホストとしての余裕とプライドを感じさせる堂々とした話し方がレオの手によってぐずぐずにされる、その変化がたまりません。

当て馬役の山下誠一郎さんも素晴らしかったです。可愛い声や喋り方の裏にほの暗いものを忍ばせ、流華に迫るシーンはちゃんと狂気を感じさせる、正しく怖い当て馬でした。

エロは作中にほどよく散りばめられています。最初のエロが常連客の注文によるものというのがぶっ飛んでいますが()、どのエロでもレオが流華に夢中なのが分かって尊いです。攻めが余裕をなくすのっていいなあ……としみじみ思います。

ブルースカイコンプレックス

攻:楢崎元親(佐藤拓也) 受:寺島夏生(江口拓也)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★☆☆☆

言わずと知れた、たくたくコンビの長編シリーズ。原作未読ですし、CDもまだコンプリートしていないのですが、今後ぜひ原作・CDともに制覇したい作品です。共通点も接点もなかった二人が、あるとき高校の図書室で出会い、惹かれ合って一緒に生きていく、その軌跡がゆったり描かれています。静かに見守りたい系BL。

攻め役の佐藤さんは、口数の多い方ではなく、思考が飛躍しがちでもあるキャラを、淡々としたトーンの中に時折ゆらぎを交え、丁寧に演じてくださっています。普段の感情表現が抑え気味な分、いざ出したときの表現は、ああ、本当に夏生が好きなんだなあと感じられるので、その落差にノックアウトされます。

受け役の江口さんは、とにかく可愛いです。常にちょっと拗ねているみたいな口調も、甘えておねだりするところも、元親に心を開いたが最後、永遠に可愛い。近年は攻め役の多い江口さんですが、こんなに可愛いならもっと受けてほしい。。。

ストーリー重視の作品なので、エロは少なめです。ただ、番外編である「インディゴブルーのグラデーション」はエロ多めなので、二人の関係性を把握した後であれば大変お勧めです。個人的には、大学の入学式でスーツを着た元親に興奮して、夏生がスーツのままのエッチをねだるエピソードがめちゃくちゃ好き。あ、夏生の髪が短くなって、うなじに興奮するむっつり元親も好きです。

赤い糸の執行猶予

攻:小幡裕樹(斉藤壮馬) 受:荒子繁司(中島ヨシキ)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★☆☆☆☆

声優さんの受け攻めが逆の「愛しのXLサイズ」と同時期に聴いたため、なんだか印象に残った作品。原作未読です。少女漫画のような胸キュン爽やか展開なので、がっと心に刺さるわけではないですが、一度聴いてみてよかったと思っています。運命の赤い糸が見える主人公が、男性である大学の後輩と自分との間の糸に気づき、最初は他に好きな人がいるから、そのうち糸で気持ちが左右されるのは悲しいからという理由で、どうにか糸を切ろうと奮闘する話。

攻め役の斉藤さん、特典まで聴かなければ攻めだと分からないほど小動物感が半端ない後輩キャラ。受けによく懐いていて愛らしいこと。本編部分では色気はほぼ出さず、強いて言えば合宿で受けと一緒に遭難して風邪を引いたくだりが一番色っぽかったです()

受け役の中島さん、普通の人には見えないものが見えるという設定上、モノローグが多い主人公でしたが、さすがの演技力で聴かせます。なんで繁司の方が受けなのかはいまいち分からないものの、可愛いからいいか……と思いました。

メイン二人以外にも、うさんくさい占い師みたいな役どころ(正確には赤い糸を切ってくれる職人)で江口拓也さんが出演していて、いい味出してらっしゃいました。江口さんのチャラい演技好きです。

エロは特典のみですが、斉藤さんの攻めは紳士的で素敵です。柔らかい声質、穏やかな語り口のあなたが攻めるとこういう感じなんですかそうですかありがとうございます、と非常に勉強になりました()。斉藤さん、もっと攻めたらいいのに。

男子高校生、はじめての ~第9弾 Kiss me plz, My IDOL

攻:久世由紀夫(羽多野渉) 受:高階響己(林勇)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★★★

ノーカット、ノーフェード、ノーBGMをモットーとする「男子高校生、はじめての」シリーズの第9弾です。推し声優の羽多野さんがご出演ということで特に贔屓しているCPがこの二人。ドルオタ(というか響己オタ)とアイドルという、だんはじの中ではプラスアルファの要素を持つ組み合わせになっております。

攻め役の羽多野さん、よく巷で「ワンコ攻め」が得意と言われておりますが、ああ、こういうことか~と思いました。キャストトークでご本人たちが評するとおり、受け受けしい攻めの久世くん。羽多野さんの音域の中でも高めの声で演じてらっしゃって、可愛いのなんの。

受け役の林さんは、やんちゃな印象の声が俺様な受けによくマッチしていました。誘い受けというか、襲い受けなんですかね、響己は。男子高校生の初々しさとビッチっぽさを兼ね備えた表現がとてもよかったです。

エロは……この作品はエロがメインなので、ほぼエロです()!だんはじには、思春期ならではの素直になれない症候群を患うキャラもいますが、このCPは久世くんが一直線に好き好き言うので、言葉攻めもストレートに甘くて、ひたすら幸せな濡れ場しかありません。合掌。響己の家族に関する話が出てくる続編もお勧め。

よるとあさの歌

攻:朝一(松岡禎丞) 受:ヨル(佐藤拓也)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★★★★

はらだ先生原作の、クズ攻め×執着受けの傑作で、バンドもの。これまで聴いたBLCDの中で、三本指に入るほど好きな作品です。長年朝一に憧れていたヨルが、サポートメンバーとして朝一のバンドに参加することになり、ライブ後の乱交パーティーで朝一が女性とヨルとを間違えて行為に至ってしまうところから、こじれにこじれて朝一がヤクザのお仕置きを受けたりそれをヨルが助けに来たりなんかするものの、最後は収まるところに収まる話。無印の方では朝一のゲスっぷりといおり(ヤクザ、ヨルの追っかけ女子の兄)の鬼畜ぶりが強烈ですが、Ecは終始ラブラブイチャイチャしていて、そのコントラストも楽しめます。

無印の方を聴いた後、気になって原作も読みましたが、松岡さんも佐藤さんもイメージぴったりで、読み返すときはお二人の声で脳内再生しております。攻め役の松岡さんは、ヤンキーっぽい役がお得意なのでしょうか、失礼かもしれませんが絶妙なはまり役でした。すこーしだけかすれた声と投げつけるようなトーンがまさに朝一!コンプレックスから強く当たっていたヨルにだんだんほだされていく様もよく伝わります。

受け役の佐藤さんは、抑揚の小さい喋り方なのですが、声の厚みと甘さのせいか、朝一への一途な想いが余計に際立つ気がしました。冷凍チャーハンを電子レンジであっためているだけの朝一をパシャり、「料理人みたいでかっこよくて」「最高」とか……めっかわ。攻めが受けに執着するのも、受けが攻めに執着するのも大好きなので、佐藤さんの声で執着受けが聴けて幸せでした。

脇を固める声優さんも少数精鋭といった感じで、特にいおりの竹内良太さんはさすがの存在感でした。低音鬼畜最高。

エロは無印もEcも全編とおしてふんだんに盛り込まれており、満足度高いです。特にカップルになってからのEcでのエロは、ヨルが超積極的なので、さとたくさんの色っぽいこと。Ec冒頭の朝エッチと、ツアー終了後の打ち上げエッチが特に好きです。 

2022/04/09

サハラの黒鷲

攻:アルキル(佐藤拓也) 受:ロキ/黒鷲(熊谷健太郎)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★★☆

見渡す限り砂漠の世界におけるエロと純愛のハイブリッドBL。異世界・ファンタジー的な要素が入るため、ご都合主義な部分がなくはないものの、それでもキャラクターの感情の動きを無視しない良作との印象を受けました。キャストさんの素晴らしい演技と、中毒性のあるエロシーンに惹かれて、つい何度も聴いてしまいます。人望の厚い奴隷商人・黒鷲が、逆恨みを受けて捕らわれ、媚薬と同じ効果のある「魔性の精液」を持つ調教師・アルキルのもとへ連れて行かれるが、毒に耐性のある黒鷲には精液が効かず、興味をひかれたアルキルがやがてそれ以上の感情を持つようになり、黒鷲も……という、変化球と直球が混在するロマンスです。

攻め役のさとたくさんは、自らも複雑な過去を抱えている設定で、それを重すぎず軽すぎず表現してくださっていると思いました。お得意?のスパダリみ溢れる役柄を、甘い低音で安定感たっぷりに演じてらっしゃいます。

受け役の熊谷さんは、これが本格的なBLにおける受けの初体験だったらしいのですが、とてもそうとは思えない完璧な喘ぎっぷりです。もともと熊谷さんのような低音受けは大歓迎なのですが、それにしても、いったん達したあとの表現なんかは匠の域でした。もちろん、ストーリー部分でも、男前で強気な受けに熊谷さんの声はぴったりです。

エロはストーリー中にバランスよく配置されています。性行為を通じての調教という気持ちのないエロから、ちゃんと惹かれ合ったうえでのエロ、正式カップルとしてのエロまで、色々なパターンを楽しめます。個人的には黒鷲がアルキルに本名を明かしたときのものが一番好きです。アルキル、怪我してるのに元気だなあと思いましたが()

愛しのXLサイズ

攻:小林哲也(中島ヨシキ) 受:山本蒼(斉藤壮馬)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★★★☆

原作未読ですが、重い実先生の漫画を基にした音声作品。あれのサイズが大きすぎるせいで女性と関係を持つに至らないイケメンと、酒に弱く情に厚いお人よしとがわちゃわちゃする話です。

いや、これ、小林くんの悩みの深さを思えば笑い事ではないのでしょうけれども、全編通してとてもコミカルに仕上がっており、大学生の日常ものであるということもあって、最初から最後まで可愛らしさにめろめろしながら聴けます。

攻め役の中島さんは、受けへの優しさが十分すぎるほど感じられる安定のイケボで素晴らしいです。しかしながらこの作品の真の主役は受け役の斉藤さんでしょう。酔っていたとはいえ、純粋な同情から自分の身を差し出した挙げ句、無骨な攻めに惹かれていってしまう山本くんの心情が痛いほど伝わってきて、聴いている方は完全に応援モードでした。ていうかお互いくん呼びに終始するとか本当に尊い。

エロは、題材からしてかなり豊富ですし、相当早い段階から突っ込んでしまっています。それでも悲壮感がないのが、この作品のエロのいいところだと思います。途中で気持ちの有る無しが多少問題にはなりますが、結局は仲良くやっておりますので。

まとめますと、ちょっとばかり切ない気持ちにもなれる、でも基本的にはラブラブバカップルが聴きたい、そんな方にお勧めのCDだと思います。

恋の話がしたい

攻:真川直広(鈴村健一) 受:美成有一(羽多野渉)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★☆☆☆

ヤマシタトモコ先生原作の、じわじわとリアルなBL。「さんかく窓の外側は夜」を描かれた漫画家さんで、行間を読ませる名手だからか、その作品のCD化には賛否両論あるようですが、個人的にこれはとても好きです。

玉砕しようと思って受けがした告白を、意外にも攻めが受け入れてしまうところから始まる恋愛模様。攻め役の鈴村さんは、年下の可愛い男の子ポジションにもかかわらず、謎の包容力を発揮する役柄にぴったりの、男らしいながらも柔らかい声質で癒されます。

受け役の羽多野さんは、恋愛で自分が幸せになれると信じ切れず、臆病になっている大人の男性の繊細さを余すことなく表現してくださっていて、母性本能をくすぐられます。攻めとのメールで絵文字を使う使わないのくだりなんかはもう、可愛すぎてにやけてしまいました。

ゆるゆるとした心情描写がメインですので、大人同士のBL作品にしてはエロは控えめです。それでも、限られた濡れ場が深い愛を感じる作りになっていることは、聴き手にとっては嬉しいです。特に、羽多野さんの受け喘ぎはとてもエロティックだと個人的に思っておりますので、分量は少なくとも貴重な供給源です。加えて、男性相手は初めてである攻めを気遣っての発言は、泣けてくるほど健気でした。

ただのクラスメイトから恋人になるたった1つの方法 Method.1

攻:遊馬悠叶(古川慎) 受:飛鳥恵一(佐藤拓也)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★☆☆

攻めてよし受けてよし、演技派イケボの佐藤拓也さんですが、ここまで可愛いに全振りしている作品は他にあまり行き当らなかったため、印象深いものとして何度も繰り返し聴いています。

やや不真面目な攻めと優等生の受けという王道の組み合わせですが、二人の気持ちが近づいてゆく過程が甘酸っぱくて、何番煎じでもいいじゃないの美味しければと思いました。

攻め役の古川さんは、お調子者のキャラをそれはそれは楽しそうに演じていらっしゃいます。古川さんが攻めるときは色気のある大人の男という印象が強かったため、けーちゃん、けーちゃんと無邪気にはしゃぐ演技が微笑ましいです。それでいて受けのピンチには頼れる一面も見せる、その振れ幅はさすが古川さんです。

受け役のさとたくさんは、もう……もう、萌え殺す気かと。もともと中低音の受けが好きなので、佐藤さんの受けはまんべんなく好きですが、恵一は本当に可愛い100%。すれていなくて、世話焼きで、ちょっと押しに弱くて。要素だけ聞けばきゅるんとした高音域の声優さんがやってもおかしくない役ですが、佐藤さんの落ち着いた声だからこそギャップに撃ち抜かれます。

ストーリーは高校生の日常に根差していて、意表を突くというほどのものではありませんが、ささやかなドラマ性がかえって感情移入を誘います。また、キャストコメントでお二人もおっしゃっていましたが、全体的に優しい世界でほっこりします。

エロはクライマックスと特典ミニドラマに凝縮されており、どちらも素晴らしく可愛い仕上がりです。受けを気遣いながらも欲望に勝てない攻めと、おぼこいのに天然で攻めを煽りがちな受け。これを拝まずにしてなんとしましょう。どのエロシーンも愛に溢れつつコミカルでリピート必至ですが、個人的には特典の修学旅行編で、恵一の浴衣姿に興奮しまくる悠叶が本当にツボです。

sick -シック-

攻:須藤圭人(鳥海浩輔) 受:岸祥太(村瀬歩) ストーリー性:★★☆☆☆ エロ:★★★★☆ 資産家の家に生まれ、容姿や対人スキルにも恵まれた大学生が、同じゼミのどんくさい院生にちょっかいをかけるうち惹かれてゆき、多少強引に事を運びはするものの最終的には想いを遂げる...