2022/05/22

生意気ヒエラルキー

攻:大河原光希(島崎信長) 受:嘉島唯(江口拓也)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★☆☆

中学時代にアホ陽キャな先輩(受け)と出会った陰キャ寄りの後輩(攻め)が、受けの人生に影響を及ぼせる男になりたいと思い、一途に執着したうえ、同じ高校を経て同じ大学に入ってから本懐を遂げる話。攻めも受けもひたすら可愛く、重いところがひとつもない癒しBLです。本編の途中でおまけがちょこちょこ入っているため、気が散る人もいるかもしれませんが、全体的にゆるいBLなので、個人的にはこんなのもありかなと思いました。

攻め役の島崎さん、一貫して落ち着いた性格の役柄ではあるものの、中学生から大学生にかけて少しずつ声を低くしていく芸の細かさが光ります。彼氏力抜群の割にちょろくて唯のわがままを受け入れがち、でも情事となると譲らない下克上CP的な感じが、男臭すぎないけれどしっかり芯のある島崎さんの声に合っていました。

受け役の江口さん、糸の切れた凧みたいな役を愛嬌たっぷりに演じてくださっていて、あざと可愛いにもほどがあります。現実にいたらイラっとするタイプかもしれませんが()、光希視点だと可愛いだけなので、問題ないかと。やんちゃな男の子っぽい受けは、やっぱり江口さんの得意分野ですね。

エロは、ほのぼのBLの割にはしっかり入っている方かと思います。光希を抱きたい願望はありつつ、強烈に求められると抱かれる側でいいやと思ってしまう唯がたまらないです。江口さんは受け喘ぎも本当にお上手で、どのエロシーンも完璧に萌えさせてくださいます。島崎さんのハイライトは、「大股開いて……」とか囁いている言葉攻めのシーンでしょうか。

キャストトークは比較的短いですが、島崎さんと江口さんの仲の良さが伝わってきてほっこりします。「まさか信長に抱かれる日が来るとは」と言う江口さんに、島崎さんが「(BL食物連鎖の)底辺目指しなよ」と返していたのが笑えました。

玉響

 攻:立花寅一(平川大輔) 受:麻倉通忠(松岡禎丞)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★☆☆☆

両片思いをこじらせた幼馴染み同士の大正ロマンBL。お互い好きなのに、世間体や財力の違いやその他もろもろのせいで、一緒に生きる覚悟を決めるまでにとても長い時間がかかるCPのお話です。攻めも受けも根が優しいし、脇役にも悪い人が一人もいない(当て馬女子すらいい女ばかり)ので、美しい人間模様に切なくなる抒情的な作品でした。原作既読の方には、テンポが速すぎると感じられることもあるようですが、未読で聴いた身としては特に気になりませんでした。

攻め役の平川さんは、柔らかな声質を活かしたどこまでも優しく紳士的な攻めで、受けへの気持ちは隠さないのに決して押し付けないという立花の性格がきっちり音声化されていました。平川さんのどこか雅なお声は、作品の時代背景にもよく似合うような気がします。

受け役の松岡さんは、出自の複雑さから性愛的なものに嫌悪を抱いている役柄でしたが、少年っぽさの残るお声が純情さを醸し出していて違和感なく聴けました。とことん蓮っ葉な役もお手の物なのに、こういう役も愛らしく魅せられる演技力に脱帽です。

エロは控えめではありますが、関東大震災後5年経って再会した二人の濡れ場が濃厚なので、個人的にはそれだけで感極まってしまいました。平川さんの包み込むような攻め喘ぎと、苦しそうなのに幸せそうな松岡さんの受け喘ぎでご飯3杯いける。

余談ですが、キャストトークでの、「感情の流れが止められなくてナレーション部分を読めなくなったときがあった」という趣旨の松岡さんのコメントにじーんとしてしまいました。それほど入り込んで聴き手に届けようとしてくださっていることに感謝。

2022/05/15

やたもも

攻:八田(小野友樹) 受:モモ(下野紘)

ストーリー性:★★★★

エロ:★★★★☆

はらだ先生原作、世話焼き絶倫攻め×不憫クズ受けの、かさぶたをはぐような痛痒い作品です。最低の環境を生き抜くために飄々と身体を売ってきたモモが、公衆トイレで偶然出会ったオカン気質の八田のもとに転がり込み、愛される幸福というものの味をちろちろ舐めながら覚えてゆく話。八田の前に愛人として付き合っていた須田とのただれきった関係や生い立ちなど、モモの過去はなかなか壮絶です。

攻め役の小野さん、基本的にはピュアで気のいい若者なのですが、性的に興奮すると歯止めが効かなくなるというちょっとした異常性をはらむ役柄が、一癖あるお声に合っていました。モモにべた惚れで、事あるごとに「〇〇するのが可愛くてな」と口に出してしまう、その言い方にきゅんきゅんしました。

受け役の下野さん、あざとさから痛々しさまで、どこをとってもパーフェクトなモモでした。つらいことはへらへらと受け流す主義なのに、八田といるとそうもいかない場面がたびたびあって、不器用ながら少しずつでも変わろうとする様が本当にいじらしいです。出生に関する衝撃の事実を知った後、八田と同衾しつつ、セックスもせずに抱き締められながら号泣するシーンは涙なしには聴けません。

元彼役の安元洋貴さんも、大変いい味を出してくださっています。モモを囲って、縛って、ひどい扱いをすることでしか、愛情も執着も示せなかった可哀想な人なんだと分かるので、憎み切れない悪役です。安元さんの超セクシーな低音が、粘着度の高い役柄を最高の当て馬に昇華してくださっている感じでした。

攻めも受けもセックス大好きな設定のため、エロシーンは豊富です。八田の獣性()のせいで、モモは痛がっていることが多いのですが、なんだかんだ最後は気持ちよさそうなので、二人のエロはどれも後味がいいです。下野さんはビッチ感をにじませたハスキーな喘ぎがとてもお上手ですね。

2022/05/14

部活の後輩に迫られています

 攻:吉武(羽多野渉) 受:守屋(鈴木達央)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★☆☆

作家さん買いしている腰乃先生原作のBLCD。同じ高校のバスケ部の後輩(吉武)が先輩(守屋)にご執心で、先輩が初めは胃袋を、そのうちそれ以外の色々なものまでつかまれてゆくほだされラブストーリーです。腰乃先生お得意の、ぎゃんぎゃんしたCPの空気をきちんと再現していただいているCDではないかと思います。

攻め役の羽多野さん、十八番と言われるワンコ攻めの本領発揮です。キャストトークを聴くと、役作りに苦労されたらしいことが分かるのですが、そんなことは微塵も感じさせない完璧な年下攻めでした。普段の喋りは受けと見まごうほど従順なのに、絡みのシーンでは牙をむくというのは、羽多野さんの声質にぴったりの萌え設定だと思っております。

受け役の鈴木さん、やや柔らかくはあるもののかなり男らしい声色で演じられていて、それで受けというのがかえって萌えます。客観的に「それでほだされる?」というところもあるのですが、食事の内容や性的奉仕を鈴木さんの声で臨場感たっぷりに描写していただくと、まあしょうがないのかなーと思えてしまう不思議。

エロは守屋先輩の家に吉武くんが泊まったときのお触りと、最後の方の部室での本番に限られますが、特に後者は両名が達するまでカバーしてくれているので、満足度は相応にあります。エロシーンもぎゃんぎゃんうるさいのですが、それが腰乃先生っぽくてよき。「先輩、喋られると中が……」という羽多野さんの台詞回しがリアルでどきどきしました。

2022/05/09

ネオンサイン・アンバー

攻:緒方勇介(日野聡) 受:佐矢真崎(中島ヨシキ)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★★☆☆

もはや作家さん買いしているおげれつたなか先生の漫画が原作。バーテンが本業ながら、つなぎでナイトクラブのホールスタッフをしている攻め(ノンケ)が、そのクラブ常連のギャル男である受け(隠れゲイ)に対してちょっとした世話を焼き、その対価として手料理を振舞われているうち、受けに好意を抱くようになるが、勢いで行為に及ぼうとしたら同性の身体を目の前にしてうまくいかず……という、苦しい峠を越えたところに幸せが待っている話。

攻め役の日野さん、無表情で何を考えているか分からないと言われるキャラに、抑揚小さめの落ち着いた低音がよく合っていました。それでいて、サヤに対する気持ちの揺れは、切なかったり愛おしそうだったりする声色からびしびし伝わってきます。絡みのシーンなんかは、息をするだけでも色っぽい。最高でした。

受け役の中島さん、ここまで高音域の演技は初めて聴きましたが、いやー可愛かったです!軽い物言いの裏に隠していても滲み出る純情さや、思いが通じ合ったあとの甘えた口調が、途方もなく愛らしい。ゲイであることを負い目のように思う演技も丁寧で、胸が痛くなりました。

本編中のエロは控えめですが、浴衣イベントでテンションの上がった勇介がサヤをバックハグしてからの口移しで酒を飲ませる流れは、非常に背徳的で煽情的でした。さらに後日談に当たる部分での本番は、ありがとうございますしか言えないです。中島さんのリアルな喘ぎ声と、日野さんのあくまでも優しい囁きで幸せな気持ちになりました。

2022/05/08

暴愛フレンドシップ

 攻:橘恭也(佐藤拓也) 受:宮崎弓鶴(白井悠介)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★★☆

すごいタイトルの割に、少女漫画ノリのきゅんきゅんストーリーでした()。高校1年生こじらせ俺様×高校3年生手つかず陰キャというカップリングで、友達のいない受けに攻めが強引に迫ったセフレ関係から始まる恋の話です。最初の方は攻めが受けに対してなかなかひどい仕打ちをしているので、聴く人を選ぶかもしれませんが、メイン声優さんお二人の演技力だけでも聴く価値ありと思いました。

攻め役の佐藤さんは、こういう屈折した役柄もお手の物。弓鶴に対する独占欲がどんどん強くなっていく過程が如実に分かる繊細なお芝居は圧巻でした。脚本上は、いったん弓鶴に別れを告げた恭也が、弓鶴の卒業に合わせて本音をぶっちゃける気になった経緯が明らかでなく、今一つ腑に落ちないのですが、俺様をかなぐり捨てたさとたくさんの声にほだされてどうでもよくなりました()

受け役の白井さんは、それはもう、可愛くて可愛くて仕方なかったです。びくびくした喋り方はいじらしいし、ところどころで勇気を振り絞って恭也にぶつかっていく様は子供の成長を見るようだし、素晴らしいヒロインぶりでした。陰キャというより、守ってあげたい小動物の方がしっくりきます。

セフレスタートなこともあり、エロはそこそこ豊富です。フェードはしますが、BGMがないのが個人的にポイント高かったです。そして、白井さんの受け喘ぎも個人的にとても好き。恥じらいと快感が同居していて最高でした。さとたくさんの甘い低音での言葉攻めがやばいのは言うまでもなく。エロシーンの中では、初デートのときのラブホエッチが甘酸っぱくて一番好き。

2022/05/02

恋をするつもりはなかった

攻:西嶋狼(江口拓也) 受:桐谷佳乃(佐藤拓也)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★☆☆☆

もだもだ系BLですが、攻めが割とクズなので、受けにものすごく肩入れしてしまう作品です。恋愛経験ゼロのまま30歳を迎えることに焦った美人リーマンが、同僚の何気ない会話から知ったゲイバーに初体験を求めて突撃し、口八丁手八丁のモテメン大学生とワンナイトスタンド。それで終わったはずが色々こじれて、という話。ブルースカイコンプレックスシリーズでお馴染みのたくたくコンビですが、本作では攻守交代。

攻め役の江口さん、前半は余裕がある素振りでリードする様が格好良く、後半はその余裕を失った年相応の必死さが可愛かったです。スパダリ感も、反抗期の少年っぽい感じも両方出せる江口さんの声ならではという攻めでした。しかしまあ、前半の狼は酷い奴ですよ。。。

受け役の佐藤さん、清らかな美しさと無意識のエロさを標準装備とする役柄に説得力を持たせる美人声がたまりませんでした。さとたくさんの低音でピュアなキャラって、ほんとずるいんですよね……あざとさも何も感じさせないから、ただただ愛おしいです。

エロはもだもだBLに見合うくらいの割合。つまりそれほど濃厚というわけではないのですが、誤解がとけてカップルになった後のエッチは愛に溢れすぎていて、それだけでも聴いた甲斐があったと思ってしまいました。特にさとたくさんの「また抱いてくれて嬉しい……!」が、もう、正座して合掌するレベル。キャストトークでメインの声優お二方もおっしゃっていましたが、幸せな未来しか見えないCPです。 

sick -シック-

攻:須藤圭人(鳥海浩輔) 受:岸祥太(村瀬歩) ストーリー性:★★☆☆☆ エロ:★★★★☆ 資産家の家に生まれ、容姿や対人スキルにも恵まれた大学生が、同じゼミのどんくさい院生にちょっかいをかけるうち惹かれてゆき、多少強引に事を運びはするものの最終的には想いを遂げる...