2023/08/26

終わらない不幸についての話

攻:清武誠司(新垣樽助) 受:烏童隆之(興津和幸)

攻:烏童隆太(羽多野渉) 受:三城俊久(松岡禎丞)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★☆☆☆

弟カップルの馴れ初めを描く「誤算のハート」のスピンオフ。コンパクトなストーリーで気軽に聴けますし、弟カップルもそこそこ登場するので、前作ファンにも優しい作りかと思います。中学時代に片想いしていた相手と大学生になってから再会し、事故のように性的な触れ合いをした後の懊悩と前に進む勇気を描く、ほろ苦くてちょっと甘酸っぱくもあるお話です。

攻め役の新垣さんは、ノンケにもかかわらず受けの想いとしっかり向き合い、どこまでも前向きに考えてくれる男前を爽やかに演じていらっしゃって、新たなスパダリジャンルの可能性を感じさせてくださいます。もしかして、包容力がカンストしているキャラクターがお得意なのではないかと思う今日この頃。

受け役の興津さんは、相手に自分が相応しくないのではないかとうじうじ考え続けてしまうネガティブなキャラでしたが、軽すぎず重すぎず、憎めない感じに演じてくださっています。自分が特別落ち込んでいるときに、幸せそうな弟の恋人に当たってしまうシーンは切なくて印象的です。

本作ではサブCPの羽多野さん×松岡さんも、エロまでは担当しないものの、二人の将来を考えるエピソードなど、単なるスパイスを超える素晴らしいお仕事ぶりで、きゅんきゅんさせていただきました。「誤算のハート」は前に一度拝聴したはずですが、内容をちゃんと覚えていないので、ぜひ聴き直したいと思います。

エロは、そこまで分量も多くなく、フェードアウトが通常仕様ではありますが、お互いの想いが良く伝わる丁寧な描写のお陰で、消化不良にはならないような気がします。興津さんの受け喘ぎは、切なそうなのも幸せそうなのも、どちらも非常に可愛い。個人的には、やはりあの浴室エッチが感動的で推せます。

なお、本作はキャストトークが30分越えと盛りだくさんなのですが、声優さん同士あまりに仲が良さそうで、終始幸せな気持ちで聴けるため、こちらもお勧めです。

2023/08/20

蟷螂の檻

攻:深山典彦(平川大輔) 受:當間育郎(山下誠一郎)

攻:西浦健一(榎木淳弥) 受:當間蘭蔵(水島大宙)

ストーリー性:★★★★☆

エロ:★★☆☆☆

セピア色の背景が見える少し昔の日本を舞台に、名家の中で秘密裏に繰り広げられる情事と粘りつくような愛憎を描く、濃密な作品です。メインCPは、その名家の跡取り息子とその従者ですが、サブCPである跡取りの異母兄とその世話役も、執着心や業の深さにかけては負けていません。

メインの攻め役である平川さんは、こんなに低い声が出るのかと驚くほどの迫力で、そこに迸る十八番(?)のヤンデレぶりが圧巻です。坊ちゃんへの矢印の多さと太さはまさに檻。いつも思いますが、平川さんの品のある声は、こういう一癖ある時代物にもはまるところが強みですね。受けでも趣深いのですが、闇の底が見えない攻めが真骨頂なのではないかと思わされるのが恐ろしい声優さんです。

対する山下さんは、御曹司若社長という受けの表の顔に合わせてか、やや演技が固い印象で、個人的にはもう少し乱れていただけると嬉しかったです()。とは言え、父の死後急に存在を明かされた異母兄の蘭蔵に対する複雑な心情の表現には胸を打たれましたし、育郎の好青年ぶろうとする面はしっかり感じられました。

サブCPの榎木さんと水島さんは、見せ場はこれからというところで話が終わってしまうのですが、お互いの胸に開いた穴を徐々にさらけ出し合う描写は実に美味しいです。幼少期のある事件のために、幼い話し方しかできない蘭蔵と、そこに癒しと使命を見出す健一の関係性は、痛くも美しい、閉ざされた黒い世界です。

濡れ場は、回数は多くないものの、攻めの平川さんのねっとり具合で満足感が上がる感じです。ただ、ほわほわ幸せエッチという感じではないので、多少倒錯的なエロが好きな方の方が楽しめる仕様になっているかと思います。サブCPのキャラは、原作だとこの後の方がすごいことになるので、ぜひ続編を作っていただきたいところなのですが、もう立ち消えでしょうか。。悲しいです。。

2023/08/09

繋いだ恋の叶え方

攻:原和紀(新垣樽助) 受:神沢薫(江口拓也)

ストーリー性:★★★☆☆

エロ:★★★☆☆

別作品のスピンオフとして生まれたCPの話(「叶わぬ恋の結び方」)が人気だったのか、続編として発表されたのがこちらの作品。私もこのシリーズは大好きです。前作で想いを通わせた二人が、甘々な同棲生活を送っていたところ、これまで誰とも繋がっていなかった和紀の運命の赤い糸に異変が起きて……という、なかなかに振れ幅の大きいストーリーでした。

攻めは相変わらずふわふわ強引紳士だし、受けは相変わらずネガティブ健気天使だしで、日常部分もにやにや必至なのですが、本作は原さんの運命の相手登場に伴う二人の行動や心情が一番の聴きどころでした。特に、常に和紀のパートナーとして自分に自信のない薫が、和紀の幸せのため身を引くのか、いつ糸のことを告げるのか、と葛藤する過程とその結末は、個人的には号泣ものです。不憫受け万歳。原作のビジュアル的に、正直江口さんがどんぴしゃとは思えないのですが、演技が好きすぎてどうでもよくなりました。シリアスなくだりもいいですが、酔っ払いの演技の破壊力たるや、聴き手の理性も吹き飛ばす勢いです。

エロは、前作同様に原作の濡れ場を膨らませた、お得感ある仕上がり。攻め役のときからは想像もできない愛らしさの江口さんは言うまでもなく、新垣さんのジェントルマンな攻め喘ぎも堪能できます。

sick -シック-

攻:須藤圭人(鳥海浩輔) 受:岸祥太(村瀬歩) ストーリー性:★★☆☆☆ エロ:★★★★☆ 資産家の家に生まれ、容姿や対人スキルにも恵まれた大学生が、同じゼミのどんくさい院生にちょっかいをかけるうち惹かれてゆき、多少強引に事を運びはするものの最終的には想いを遂げる...